集団陣形棋(英語名:Troop-Chess)

【ゲームのコンセプト】

集団陣形棋は定められた陣形を組んだ3つの駒が同時に移動し、1~複数個の敵駒を撃破するゲームです。

チャトランガ系ゲームは世界に伝播しており、国・地域 により多種多様ですが、既存チャトランガ系ゲームは、
・個々の駒の機能(移動方向・距離)区別
・単独での駒移動(1度の着手で動かせるのは1つの駒のみ)
の点で共通項を持ち、あえていうなれば、互いに駒機能と数、初期配置を入れ替え合って成り立っているカテゴリといえます(日本の将棋は取った相手の駒を自駒として使用できる点、異彩を放ちますが)。

そうした個々の駒の煩雑な機能区別を廃し、もっとシンプルな形に昇華したチャトランガ系ゲームを作れないかとつらつら考えた挙句、歩と王に相当する駒だけを有し、それらが相互に3つ組み合わさって陣形を形成することで、個々の駒の機能変化(移動方向と距離のプラス)を得る『陣形棋』を、まず2017年8月に考案いたしました(これについてもいずれ機会があれば紹介したいと思います)。
しかしそこではあくまで単独の駒移動という発想から抜け出すことが出来なかったため、そこからさらに工夫。発展形としての、今回の集団陣形棋開発に至りました。

  【移動に必要な陣形の概念と、各陣形紹介】
駒移動は定められた3つの駒並びからなる、4種の陣形によってのみ行われます。1~2駒での移動や、離れた、あるいは陣形外の3駒を移動させることは不可能。いうなれば、陣形が崩れれば移動できない。
各陣形は、(陣形)種類に関わらず、前後左右、斜めの八方向に1歩移動(攻撃)することが出来ます。陣立てにより、特定の方向へ+1 の移動補正が付く(その方向に限り2歩進めるようになる)。各陣形紹介(図参照:三角印が先頭駒で、その向いた方向に+1の移動補正が付く)

直列陣(棒陣):縦横の2種類。上下左右対称なので、この陣形に限り、頭を2つ持つ。
錐行陣:縦横への移動補正。前後左右の四方向のパターン。
鉤型陣(蛇行陣):斜め方向への移動補正。8パターン。
楔形陣:斜め補正。4パターン。

 
以上の4種類で、これらの陣形いずれかでないと、移動及び攻撃を行うことは出来ません。このように隣接した3つの駒が組むのが陣形の基本的な考え方ですが、斜め3つ並びは陣形とは認められません。
 【攻撃と硬度の概念】
既存チャトランガ系ゲームと同じく、敵駒に 自駒を重ねることで相手の駒を倒す事が出来ますが、1度に倒すことが出来る駒数は1~4駒と、状況により異なってきます。ここで重要となってくるのが、硬度の概念です。
各陣形の先頭駒(三角表記)の移動補正が付く正面方向には同様に硬度のプラス補正が付き、攻守いずれの際にも有用となってきます。基本攻撃側が有利ですが、仮に各駒の攻守における硬度を数値で表記してみると、

〈攻撃側〉
先頭駒(硬度補正あり)=2
先頭駒(硬度補正無し)=1
それ以外の駒=1

〈守備側〉
先頭駒(硬度補正あり)=1
先頭駒(硬度補正無し)=0
それ以外の駒=0

となり、数値差2は貫通可能、1は撃破、同値は相打ちとなります。

【攻守における硬度反映の、各陣形相互関係による具体図例】

例1(数値差1による撃破)
錐行陣(攻)から直列陣(守)に先頭駒同士、真正面からぶつかる場合は、攻撃側の錐行陣の硬度2、直列陣の硬度1なので、数値差1で、攻められた側の直列陣先頭駒のみが討ち取られる結果となります。

例2(数値差2による貫通と撃破)
同じ錐行陣から直列陣への攻撃であっても、この様に側面からの攻撃であれば、(守備の)直列陣の側は先頭駒も含めて全て硬度0ですから、攻撃側の錐行陣先頭駒(硬度2)の貫通を介して、全滅させることが出来ます。

例3(数値差0の相打ち)
例えばこの図のように、直列陣が(先頭駒の)硬度補正の付かない斜め方向に、楔形陣の (斜めの向きに硬度補正が付いた)先頭駒に真正面からぶつかった場合、どちらも硬度1の数値差0ですから、先頭駒同士の相打ちに終わります。

例4(貫通能力のない後ろ駒による‘引っ掛かり’)
陣形先頭駒の攻撃は、相手陣形先頭駒の真正面からぶつかるのでない限り、相手駒の貫通突破がそのまま出来ますが、後ろ駒に貫通能力は無いので、相手が二重並びの場合、前の敵を撃破しただけで次の駒に‘引っ掛かり’、陣形全体の攻撃進行がそこで止まってしまいます。
この図例では、錐行陣の後ろ駒の翼部分が、1体目の敵を撃破するものの、貫通能力は有していないので、楔形陣の先頭駒(正面からでないので、硬度0ですが)まで倒す余力は無く、錐行陣全体がそれ以上進 めなくなっています。

例5(例4に相似の、貫通可能例)
例4に似ていますが、この錐行→鉤型陣への攻撃例では、後ろ駒の翼の部分が1体目の敵を撃破した先が空白で、進軍を阻むものがありませんから、先頭駒の貫通も伴い、全滅させることが出来ます。

 【陣形形成のために許される、1駒の特殊移動】
集団陣形棋では定められた陣形による、3駒の同時移動しか出来ませんが、陣形形成のために、1マス離れた所にある2駒の元に別の1駒が合流する特殊移動が認められ、 (陣形形成の)直後、同ターンの自分の手番のうちに(陣形による)移動、攻撃を行うことが出来ます。
また、同じく1駒のみ動いての、既陣形から他陣形への組み換えと、同時に新しい陣形による移動(攻撃)を行うことが出来ます。この陣形組み換えは、(陣形中の)1駒が縦横斜めの隣接したマスに(1歩で)移動できる場合に限ります。
図は直列陣→楔形陣

孤立した駒同士の合流、既陣形から他陣形への組み換えともに、 (陣形形成・組み換えのための)1駒の移動先に敵駒が存在する場合は、阻まれて移動することが出来ません(その場所に移動しての陣形形成・変更を行えない)。
また、陣形形成・変更のために移動した1駒は必ずその直後の移動・攻撃に参加する必要があります。
移動・攻撃直後(同ターンの内)の新たな陣形形成(変更)は不可。

 【その他諸ルール】
味方駒が密集して、一つの駒が複数の陣形の先頭駒を兼ねている場合は、(防御時において)それぞれの(陣形)方向への硬度を兼ね備えることが出来ます。
図は直列(上向き)、錐行(右向き)、楔形(右上)に硬度補正。ただし、 同方向への陣形硬度補正は重ねられません(+1が上限)。
味方駒を飛び越しての移動可能。味方駒に重ねて(味方駒同士同じマスに)留まることは出来ません。

初期盤面。厳密に数えていませんが、陣形形成・組み換えからの移動も含めて、初手から150通り以上の着手可能性があります。

先手後手共に、彼我の最初の攻撃が起こるまでは、 後方及び、斜め後方への後退着手は出来ません。一度どちらかの攻撃が行われた後は、双方ともに後退可能。

 【勝敗・引き分け条件】
先に移動できなくなった方の負けとなります。
具体的には、自駒の総数が2駒以下、あるいはバラバラに寸断される事で味方駒同士合流しての(3駒での)陣形形成――移動が出来なくなった方の敗北です。
相打ちなどで同時に動けなくなった場合は残駒数の多い方の勝利、同数なら引き分けとなります。9ターン(双方9回着手)の間、双方の駒数に変化が無い場合は、駒数の多い方の勝ちとします。同数は引き分け。
ただし、ゲーム開始直後から最初の攻撃が行われるまではこの限りではありません(開始直後~初撃まではタ ーン無制限)。

筆者:くるみロールさん

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